物理化学

物理化学とは、化学的な現象を物理学における法則や理論で研究する化学の分野の総称である。物理化学と聞くと単純に化学か物理かどちらかわからないという人がいるが、これは高校の理論化学を考えるとわかりやすいと思う。高校の物理での熱力学は熱はどのように発生するかとか、熱の効率はとか、この容器の気体の圧力はとかどちらかというと抽象的な概念だったと思う。それに対して、理論化学の気体分野はこの気体が、モル分率がといった気体の物理要素に加えて、気体の種類を考えていることより、ここが化学であるという点ではないかと考える。もちろん、計算法などは物理学から導かれたものである。例えば、気体を考える場合は熱力学であるし、原子は量子力学、電池は電磁気学などの物理的基礎が背景にあるが、ここに物質の種類を導入したことで化学に化けるのである。これこそが化学の本質であり、物理との大きな違いであると私は考える。物理化学は「物理に具体性を持たせた」というキャッチコピーがふさわしいように感じる。