古典力学

力学は高校まで履修した人は誰しもが必ず受けたことがある分野だと思う。しかし、力学とは裏腹に現代の物理学の中心は量子力学であったり、相対性理論であったりすることが多い。それらと対比して、力学は一般的に古典力学と呼ばれる。古典力学と聞くと何かしら古めかしい昔信じられてきたもののように感じるが、古典力学=時代遅れの学問ととらえることはナンセンスであると私は思う。もちろん力学の様々な現象を突き詰めると、シュレディンガー方程式アインシュタイン方程式の範疇に帰結するが、それが嘘を述べているわけではない。シュレディンガー方程式アインシュタイン方程式が生まれた理由は現実世界と乖離した場合を考えるためである。それに対して、古典力学は人間が生きる範囲の世界を見事に記述している。つまり、数学で未来を予想できるという物理の範囲の中で最もわかりやすい。そのため、物理学を学ぶ上で一番最初に学ぶのだろう。(ここで誤解してほしくないのは、私は量子力学相対性理論に対して、アンチ的立場ではなくどちらかというと賛成的立場である。)

 では、古典力学はなぜ現代物理学において注目されないのだろうか、それは古典力学の完成度が高いからであると私は考える。ほとんどの運動はニュートン運動方程式で記述できるのだから、ある程度まで研究は進んでいることである。また、潜在的に人間の想像力に古典力学の要素を考えることが出来ているという点である。(野球のボールを遠くに飛ばすときに45°方向に投げるなど)人間は知的探求心が高い生き物であるので、わかっていることよりも未知のことに惹かれる傾向がある。つまり、相対性理論量子力学は未知の世界であるから人間は惹かれるのではないかと私は考える。

しかし、古典力学は見える範囲で見えるものを記述するという点で非常に面白いと思う。古典力学のキャッチコピーはやはり、「未来が数式に描かれる」ということに違いない。